目指すべき農業は何か?3
本日は午後から本格的な雪になりました。今年の作付計画の、まだはっきりしていなかった部分をじっくり考えたりしています。
「目指すべき農業は何か?」の3回目です。前回は慣行農法の話をしたので、今回は有機農法の話をしたいと思います。
有機農法は基本的には良い農法だと思います。慣行農法とは比べものにならないくらい良い農業です。しかし、100点満点かと言われれば、違うと言わざるを得ません。
ちなみにここで言う有機農法とは国が認める「JAS有機」を指しますので、そのつもりで読んでください。
有機農法は、一般的には無農薬だと思われていますが、実はそうではないことを知っておいてください。一部、使用が許可されている農薬もあるのです。比較的安全な農薬ではあるのでしょが、完全とは言えない理由のひとつがここにあります。
また、肥料の面から言っても、化学肥料の代わりに有機肥料を使っているだけで、肥料に頼っていることに何ら違いはありません。ではなぜ有機肥料がいけないかと言えば、有機肥料とは言え過剰に使用すれば人体や自然環境に害をもたらすからです。過剰に与えられた窒素肥料は硝酸性窒素となり、人体に入った際には癌を引き起こす原因物質に変化します。つまり、化学肥料にしろ有機肥料にしろ過剰に施されることは良くないことなのです。
有機農法のもうひとつの問題点は、大量に使われる有機肥料の材料に限りがある点です。材料としてよく使用される資材には、米ヌカや菜種油カスや魚カスなどがあります。菜種油カスは輸入に頼っていますし、魚カスや米ヌカには限りがあり、現実に私が農協に注文しても少ししか手に入りません。(育苗や新しい畑の初期土づくりに米ヌカを使用することがあります)
家畜糞にしても元をただせば輸入飼料がほとんどですし、畜産業自体が低迷・縮小の傾向にあるので、継続的に手入れることが出来るか疑問が残ります。
少しは継続的に入手可能と思われる資材は、地域で見捨てられている落ち葉や刈り草などでしょうか。これも使用者が増えれば奪い合いになることは必至です。
国が有機農業推進法を作って盛んに(?)有機農業を広めようとしていますが、それが本当に良い方向なのか、考える必要があるでしょう。もちろん、過渡期としてまずは有機JASを広めるのは悪いことではないと思います。その先を考えておく必要があると私は考えます。
コメント
おっしゃる通りだと思います!あたしには 真似できないけど(;^_^A
2010/3/9(火) 午後 6:52[ himi ]
ご賛同ありがとうございます!
りんごさん、まめにアップしていますね。
私もがんばります…。
2010/3/16(火) 午後 0:02[ YA-JIN ]