くいんてっとふぁーむ ya-jinの日記

無肥料栽培へ向って、イバラの道を進む! 私が実施している無肥料栽培についてのブログです。無肥料栽培とは、化学肥料はもちろん、有機肥料も堆肥も一切施さない栽培方法。非常に難しい農法で、現在悪戦苦闘中! 自らが設定した期限は2010年9月! それまでに見通しが立たなければ無肥料栽培から撤退、敗北。さあ、その全てをご覧あれ!

目指すべき農業は何か?

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上の写真は、今月18日朝に家の2階の窓から写したものです。雪が2~3センチくらい積もっています。毎年1回か2回はこれくらいの雪が降ります。ちなみに右下に見えているのが私の田んぼです。

さて、タイトルにもあるように、「目指すべき農業は何?」そんなことを最近考えています。本当に正しい、未来に受け継ぐべき農業はどんなものなのでしょうか。

今まで多くの方が何の疑いもなく行ってきた慣行農業。ざっと簡単に言ってしまえば、収穫量は多いいので、勤め人と比べれば収入は少ないものの生業として成立できる。それが最大の利点。食糧を確保する上でも多収量は魅力的ですね。

しかし良いところばかりではなく、農薬や化学肥料の危険性や農業機械や資材に依存している点は、かなりのマイナス面になる。また、自然環境や人の生活環境も悪化させているし、農地自体を疲弊させてしまい永続性がない。

慣行農業を総合的に判断すれば、現状でいきなりなくすことは出来ないものの、未来に渡って行うべき農業形態ではないと言わざるを得ない。

では有機農業はどうだろうか。良いところは、まずは完全ではないものの、薬害が少ないこと。それからまだまだ難しい面もあるでしょうが、生業として成り立つこと。

欠点は、薬害が少ないとは言え、農薬がゼロではないこと。有機窒素肥料多投による硝酸性窒素の問題もある。言い換えれば、化学肥料が有機肥料に変わっただけで、地下水などを汚染していることに変わりはない。慣行農業と同じように農業機械や資材を多く使用する。

有機農業は(国が認めている有機JAS)は、こうやってみるとそれほど良いとは言えないように思えます。むろん、慣行農業よりはずっといいのですが。

次に考えてみたいのは、「自然農」的な農業です。自然農を一言で言うなら、「極少肥料で耕さない農業」でしょうか。もちろん農薬や化学肥料は使わないので安全です。肥料は極少量なので硝酸性窒素の問題もクリアです。また使う機械は精々刈払機くらいですし、ビニールなどの石油資材もほとんど使いません。

自然農の欠点は、収穫量が少ないこと。そして収穫量が少ない理由の一つですが、一人で耕作出来る面積が狭いことでしょう。これは、収入が少ないことを意味します。

自然農は、農法と言うよりは「生き方」そのもので、自給的な生活を求め、物質的な豊かさに興味の薄い方が選択する傾向があります。また収穫量は少ないですが、例えば化学・有機肥料が高騰したり、石油が高騰したりしても何ら関係なく行える農業でもあります。当然、環境を汚すことも少ないですし、農地を疲弊させることもないでしょう。そう考えると慣行農業や有機農業が、資材に依存した農業なのが浮き彫りになってきます。

もうひとつ、全く肥料を使用しない農業があります。「無肥料栽培」と言ったり「無施肥栽培」と言ったりします。この農法の特徴は、農薬や化学肥料はもちろん、有機肥料や堆肥も使用しないことです。草質堆肥だけを使う方もいれば、畑に生えた雑草さえ持ち出してしまう狭義の無肥料の方もいるようです。

この無肥料栽培の利点は、成功した場合には、まったく肥料や堆肥を使わなくて済むことでしょう。労力や経費を考えても非常に有利です。出来た作物は安全ですし、環境に悪影響もほとんどなく、永続性もあります。また、成功すれば収穫量も慣行農法並みで、言ってみれば夢の農業でしょうか。

欠点は、技術的に非常に難しいことと、これは私の経験ですが、土質などの場所を選ぶ点でしょうか。もうひとつ、大型機械やビニール資材などの石油に依存していることは慣行農業や有機農業と変わらない点も見逃せません。また、これは耕さない農業以外は全て当てはまりますが、耕すことによって地表が雨に弱くなり、傾斜地では表土が流されることがまま起こり得ます。今後異常気象で豪雨が増えることを考えると、これは大きなマイナスです。

上記以外にも、沢山の農法がありますが、肥料やビニールや機械など資材に依存している点で、どの農法も似たり寄ったりだと言わざるを得ないでしょう。では、真の意味で永続的で、資材に依存しない、その上に収穫量もそれなりに確保出来る農法はないのでしょうか。それが私の自身への問いかけです。

残念ながら、現状でその条件をクリアした農法は見当たりません。自分で考え出すしかないようです。永続性のない、資材依存型の慣行農法と有機農法は、まず真っ先に外します。

自然農は収穫量が少ないですが、そこを解決できれば有望だと思います。無肥料栽培は、肥料は使わないものの、大型機械やビニール資材を使用する点で難があります。機械を使わないでビニール資材を使わない無肥料栽培ならいいのですが、するとそれは不耕起を意味しますね。

そろそろ結論が見えてきたようです。耕さずに肥料も使わずに慣行農法に準じた収穫量を得る農業。耕さない無肥料栽培。無肥料栽培と言っても狭義の雑草さえ持ち出してしまう農法ではなく、地域で収集可能な草質資材を活用した広義の無肥料栽培です。クリアしなければならない課題は、耕さないことによって起こるデメリットをどう効率化するかです。解決のヒントは、連作、自家採種にあると思います。それが私が目指す農業です。

私は無肥料栽培を夢の農業と言いましたが、私が今回目標に掲げた耕さない無肥料栽培はある意味それを超える夢の農業だと思います。ちょっと大風呂敷を広げすぎたかもしれませんが、志は高く持って行きたいと思います。