目指すべき農業は何か?2
ちなみに、播種する前、25日に濡れたティッシュにくるんで暖かい場所に置いて「芽出し」をしてあります。白い根が1~2ミリくらい出てきたのを確認してから育苗箱にまいて、やはり屋内の暖かい場所にて発芽させました。
発芽したら、ビニールハウスの中に移します。屋内だと徒長してしまい健全に生育しません。ビニールハウスには電熱線を張った育苗床を作り、それをビニールで覆ってさらに加温します。夜間には玄関に入れて低温にさらされるのを防ぎます。我が家の玄関はこの時期15度はあります。
本葉が二枚になるころまで昼間はビニールハウス、夜は屋内で管理します。その後はポットに鉢上げして終日ビニールハウスで管理することになります。
さて、ミニトマトの話はこれくらいにして、先日話題にした「目指すべき農業」について補足をしたいと思います。と言いますのも、ちょっと唐突過ぎてわかりづらかったのではないかと思いましたので。
そもそも私が取り上げた、「慣行農法」「有機農法」「自然農」「無肥料栽培」に関する説明がなさ過ぎました。私なりの解釈になりますが、簡単に説明してみたいと思います。
慣行農法とは、戦後に始まった化学肥料や農薬を駆使した農法を指します。いわゆる無農薬・無化学肥料で栽培する農家が、習慣化してしまった化学肥料と農薬の使用を批判する意味をもあって、そう呼び始めたのではないかと想像します。したがって、慣行農法をしている農家が、自分のことを慣行農法をしているとはあまり言わないでしょう。
慣行農法の一番の功績は、戦後の食糧難を解決したことでしょう。食糧に余裕が出来たからこそ、日本のこれだけの経済成長があったとも言えるかもしれません。
ただ良いことばかりではなく、農薬や化学肥料による健康被害があります。これは農薬を散布する農業者しかり、その野菜を食べた消費者しかりです。加えて、化学肥料や農薬による地下水汚染などの環境被害もあります。もっと悪いことには、農地が作物を作る力を失い、やがて何も作れなくなる恐れすらあります。
また現在は、スイカが冬に食べられたり、夏にハクサイがあったりします。これは、流通が発達したお陰でもありますが、農薬と化学肥料、それからビニールハウスや暖房などの恩恵を大きく受けています。もっとも、そのために野菜の旬がいつかわからない人が増えています。また、旬ではない時期外れの野菜は栄養価も著しく低くなります。
いろいろ書きましたが、ほとんどの方は漠然とはわかっていて、必要悪として慣行農法を見ているのではないでしょうか。そこで慣行農法から脱却すべくいろいろな農法を模索することになるのですが、それは次回に譲りたいと思います。